週刊バーテンダーズ

バーテンダーって何をする人?バーテンって呼んじゃダメなの?

2016年7月22日 / week 02 バーテンダーを知る

バーテンダーを知る

ある日のこと。
バーに入ってすぐ、椅子に座るよりも先に「ビール下さい」と頼んだ。
バーテンダーは冷蔵庫で冷やしてあったグラスを使って生ビールを出した。
・・・
時間が経って2杯目のビール。バーテンダーは普通のグラスでビールを出した。

冷えたビール

バーテンダーはお客の事をよく見ています。
上で紹介した例でバーテンダーは「(ここまで歩いてきたのかな。暑そうにしてるな。)」と見抜いて一杯目にキンキンに冷えたビールを出したのです。

バーテンダーは石田三成?

石田三成は戦国時代の武将で、低い身分から豊臣秀吉に召し抱えられ出世した人物。
その逸話が残っている。
それは「三杯の茶」というもので、豊臣秀吉が狩りの途中で立ち寄った寺で石田三成がお茶を出した。
最初の一杯は、冷たいお茶を。2杯目はややぬるめのお茶、3杯目は熱いお茶を出したというものだ。
この事を豊臣秀吉に評価され、豊臣秀吉の家来として戦国時代で活躍していく。

バーテンダーはどこを見ているのか

1.足元

仕事帰りに来たのか、一度家に帰ったのか。革靴は磨かれているか汚れているか。
その人の性格や、バーにどのような心構えで来ているのかがわかるそうです。

2.手

指輪で結婚しているかどうか。爪を見てオフィス仕事なのか力仕事なのか。時計を見てお金持ちかどうか等。
また手には感情がでるそうです。嬉しそうな手、イライラしている手、寂しそうな手等。

3.視線

キョロキョロしてれば初めて来たのだとわかる。
そして、物事に興味を持つ人なのか、見下す見方をする人なのか、等がわかるそうです。

以上、3つの例を挙げましたが、他にもいろいろなところを見ています。

では、なぜそこまでお客の事を見ているのか?

バーテンダーは医者である。

前回紹介したとおりバーは心の病院のような所です。
であればバーテンダーは医者と言えます。

バーでは病院の問診のようにお客は自分の症状を話さないでしょう。
それでもバーテンダーはお客に適したお酒を提供する為、お客の事をよく見ているのです。


バーテンダーという言葉にはちゃんとした意味があります。
バーという単語には客席とカウンターを隔てる手すり(=総じて酒場を指す)という意味があります。
テンダーには「世話をする人」、「相談役」という意味の他「優しい」という意味があります。
バーテンダーという言葉の意味を理解し、バーテンダーには敬意を持って接してください。決して「バーテン」等とは言わないように。

次回は7/29(金)に公開予定「その時世界が動いた?バーの逸話」です。